9月号
特集・金融行政の暴走と国民生活


 活用のポイント

 三井銀行と太陽神戸銀行が合併して「太陽神戸三井銀行」になり、それが「さくら銀行」と改称。それからほどなく住友銀行と合併して今度は「三井住友銀行」に。都市銀行の合併・再編が急速にすすみ、街を歩くと聞いたこともない銀行の看板に出くわします。「はて、あの銀行、以前は何という名前だったっけ?」と立ち止まった人も珍しくないでしょう。
 他方で、昨年秋から今年にかけて信用金庫、信用組合が雪崩をうって破綻に追い込まれました。信金の合併はこれからも多く予定されています。
 いま、金融機関のあり方が大きく変わろうとしています。そこで今月は、「金融行政の暴走と国民生活」と題する特集をお届けします。
 この特集は五本の記事から構成されています。

1 金融再編下の職場と
  労働者


 最初は、いま金融の職場がどうなっているのか、現場からの報告です。冒頭に述べたように、都市銀行では金融機関の再編がすすみました。そのねらいは後で学びますが、そこで働く労働者はどんな働かされ方をしているのでしょうか。
 山田洋さんは、統合初日に引き起こされたみずほグループのトラブルのことから、大銀行の労働者へのリストラの事態などを克明に紹介しながら、金融機関の再編が、利用者や労働者の犠牲のうえに強行されたことを職場から告発しています。
 また破綻させられた信用金庫の職場がどうなったのか、まじめに働いてきた信金労働者にどのような苦しみを与えたのかを、貝之瀬信夫さんが寄稿してくれました。「あの人たちは地域経済を破壊しようとしている」という残務処理にあたった支店長の言葉に、ことの本質がズバリと言い表されているのではないでしょうか。

2 世界と日本の金融が
  どう変わる?

 
つづいて、いまの金融問題をどう見たらいいのか、という学習です。国際金融問題の研究者・鳥畑与一さんにいまの世界と日本の金融間題を見るにあたって大切なこと、おさえておくべきことを語ってもらいました。
 烏畑さんは、アメリカを中心として世界的に投資家中心の金融システムがつくられてきていること、その矛盾が露呈してきているにもかかわらず日本がこれに無批判に追随しようとしていること、そして投機のリスクを国民におしつけるための金融制度改革が進められていることなどを鋭く、かつ平易に説明されています。大銀行の合併や中小金融機関の破綻など、日本の金融問題を考える基本的な視点が、ここにしめされています。

3 国民生活に身近なところで
  金融問題を考える


 以上を総論とすると、各論にあたるのが以下の二論文。国民生活に密着した分野から金融問題を学びます。
 昨秋から今春にかけて相次いで破綻した信金・信組ですが、7月以降も多くの合併が計画されています。桜田氾さんがこの問題を、信用金庫など協同組織金融機関の本来の役割に照らしながら解説しています。
 また私たちにとって「身近」であってはならないはずなのに「身近」な問題であるサラ金問題を、森田耕造さんが解説してくれました。サラ金のあくどさは言うまでもありませんが、超低金利で資金調達できるしくみや、サラ金と銀行とが提携した高利金融など、金融システム全体のなかでこの問題を考えることが大切だと思います。

 『学習の友』の活用、読者
 拡大にご協力を


 以上が特集のあらましですが、それ以外にも、連載講座「生きるための哲学」、いま焦眉の課題である選択的夫婦別姓についてのワンポイント学習なども、大いに活用してください。
 いま、労働者教育協会と全国の学習組織では、『学習の友』をつかった学習会づくりと定期読者の拡大に取り組んでいます。これまで組合で一部だけ取っていたけれど、執行委員全員で購読するように決めた組合もあります。
 読者のみなさん! 職場や地域で一緒に活動している仲間に、ぜひ『友』をすすめてください。また仲間と一緒に学習会を開いてください。そこで話題になったことや感想なども、編集部におよせください。